タイトル 『La Caricature』ラ・カリカチュール
説明文 1830年11月4日から1835年8月27日まで七月王政下のフランスで発行された週刊新聞。ジャーナリストで漫画家のシャルル・フィリポン(1800~1862)よって創刊された。毎号は4紙(裏・表)の文章面と2枚、大判の時は1枚の版画で構成されており、当時名の知られていた若手のジャーナリストや批評家、そしてドーミエやグランヴィル、ラフェといった絵師が手腕を発揮していた。創刊当初、政治への批判はほとんど見られなかったものの、ルイ・フィリップによって言論の自由が統制されると、この政策に諷刺画で真っ向から抵抗するようになった。政治批判から生まれた数多くのリトグラフ作品は、フランスにおける諷刺画の黄金期を築いた。『ラ・カリカチュール』紙は『シャリヴァリ』紙に並ぶ、19世紀を代表する戯画・諷刺新聞であるといえる。
解説協力:上田あゆみ パリ=ソルボンヌ大学大学院美術史科修士課程修了。19世紀のフランス美術、ジャポニスムおよび日仏間の文化交流・交渉史を専門とする。